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瀧嶋の目Takishima’s Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック代表取締役社長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_03アフターコロナ 2020年10~12月景気予測と2021年新卒採用状況

(1)全業種の景気見通し

日経産業天気インデックス(日経DI)によれば、2020年10~12月はマイナス30と前期比横ばいとなる見通しです。4~6月の日経DIはマイナス43、7~9月がマイナス30と13改善しましたが、10~12月は足踏み状態となっています。国内外共に新型コロナウイルス感染が収束しないと、景気の先行き不透明感は続くと思われます。

(2)建設業界の景気見通し

新型コロナウイルス感染収束が見通せない中、国内建設投資の約7割を占める民間建設投資については冷え込みが懸念されます。特に宿泊、オフィス、住宅の分野での建設需要の停滞は当分続くと思われます。一方、輸出については5月を底に改善しており、輸出の持ち直しが続けば生産施設系は回復していく可能性が高いと思われます。

大型の民間建築工事の受注競争は厳しさが増しており、加えて、建設計画の中止や延期等のリスク発生の可能性も高くなっている事を考えると、更なる業績へのマイナス影響が懸念されます。コロナ禍でも比較的好調な大型物流倉庫やデータセンターについても、受注競争激化による影響が出始めている様です。

一方、困ったときの公共工事とばかり、国土強靭化緊急対策は延長される見通しが強くなってきています(本来なら2020年度が期限)。公共工事、特に土木建設投資は現レベルをある程度維持していくと思われます。県別で見てみると、公共工事比率(全建設投資に占める公共工事比率)が47都道府県中、50%超えている県が15県、40%を超えている県となると33県となっています。なんと7割の都道府県で公共工事比率が高止まりしており、この状況が将来続くとは思えません。

(3)2021年新卒採用状況・・・回復には2~3年かかるか・・・

日経新聞調査による2021年度採用状況調査によれば、主要企業の大卒採用の内定者数(2021年春入社)は、2020年比較で11.4%減になるとの見通しです。2桁減はリーマン・ショック後の2010年度以来11年ぶりです。業界毎にバラツキはありますが、プラスになった業界は41業種のうちわずか6業種で、しかも僅かな増加です。

因みに、建設業界についてはマイナス2.5%、不動産・住宅業界はマイナス19.6%となっています。
理工系大卒内定者数についても9%減となり(文科系は12.5%減)、8年ぶりの減少となっています。新型コロナウイルスなどにより業績悪化が、これまで企業からの需要が強かった理工系人材の採用にも影響した形となっています。但し、理系分野でもデジタル系人材には人気が集中している様です。

理系人材採用の絞り込みは、将来的な生産活動や技術開発活動に響きかねないとの懸念も生じてきてます。今まで以上に、特定の技術を持つ理工系人材や即戦力人材の中途採用は難しくなると予想されます。技術分野や経験スキルの熟練度による中途採用の2極化が一層進むと思われます。
新型コロナ収束の見通しが立たず、景気の不透明感がある中、新卒採用の回復は少なくとも2022年度までは続くと予想されます。

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