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瀧嶋の目Takishima’s Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック代表取締役社長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_02アフターコロナ 悪化する若年層の雇用環境・・・一方中高年層はどうなるのか?

(1)雇用過剰のトレンド

雇用の需給バランスの視点で見てみると、急速に雇用過剰の方向に向かっていると言えるでしょう。日銀短観の「雇用人員判断DI(企業アンケート調査で「人手が過剰」と回答した企業の割合から「人手不足」と回答した企業の割合を引いたもの)」によれば、2018~2019年のかけてのDI値が-35程度(人手不足)だったものが、ここにきて急速に0(充足状態)に向かっています。今回は景気減速環境下での新型コロナウイルス拡大ですので、リーマンショック以来のDI値プラス(人手過剰)の方向に向かうと思われます。日本は現役世代の人口減少により、景気後退局面下でも慢性的に人手不足の状況が続いていましたが、働き方そのものを一変してしまうコロナインパクトにより、一挙に人手過剰に向かうと予想されます。

(2)悪化する若年層の雇用環境

厚労省によれば、今春に就職内定していた学生のうち内定を取り消された学生数は昨年の5倍に増加したとの事です。就活が「コロナ氷河期」になる恐れが既に顕在化してきています。またここにきて、社会人になった若年層の離職も増加してきていると実感しています。
日本は解雇しにくい分、新卒採用を絞る傾向がありますので、若年層の失業率が、一層上昇する事が避けられないと思います。

(3)「未経験OK」求人案件の減少

加えて、転職サイトでは未経験者歓迎の案件の比率が、新型コロナウイルス感染拡大前の8割から5割まで下がってきています。企業はより即戦力となる経験者や専門性の高い人材を求める傾向にあります。雇用情勢が厳しさを増すなか、未経験者の受け入れは一層減少し、若年層の雇用をさらに悪化させる要因となります。

(4)中高年層の雇用は?

一方、30歳代半ばから40歳半ばの経験者や専門性の高い人材についての求人は活発ですが、DX・IoT対応や物流関係など新しい生活様式を支える職種では案件数が増えているものの、従来の建設・不動産・プラント関連職種(設計、施工、保全など)については、求人数の減少に加え、「厳選採用」の動きが加速しており、転職を思いとどまる方も増えている様です。実際、厳選採用化により、最終選考で採用見送りとなるケースが増えていると実感しています。
また、人手不足で好調だった経験重視の50歳代・60歳代の雇用についても、人員余剰により厳しさが増してきています。この層は、仕事量に応じて派遣で対応する傾向が強くなってきており、専門性の高い派遣のニーズは増加傾向にあります。

先日、大学3年生のお子さんをお持ちのお父様から、息子さんの就職相談を受けました。もし息子さんが理工系で、お金に余力があるなら、大学院への進学を勧めしますとお話しました。ここ数年は10~15年スパンの就職氷河期です。また、新型コロナウイルスで、満足いく大学カリキュラムを受講出来ているとも思えません。慌てて不本意な就職をするより、少し時期を見て(能力を高めた上で)就職する方が、その後の人生を考えると得策ではないかとお話しました。

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